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消化率(sell-through)とopen-to-buy:取引先が本当に売っている量を測る

過去最高の受注も、次のシーズンを保証してはくれません。すべては、店舗が実際に売り切った商品の割合であるsell-through(消化率)しだいです。在庫カバー週数やopen-to-buyと組み合わせれば、適切なタイミングで追加発注を提案し、商談ごとの提案を調整できます。計算式と具体的な数値例で解説します。

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この記事のポイント

  • sell-inはブランドが店舗に販売した量を、sell-through(消化率)は店舗が実際に消費者へ販売できた割合を測ります。
  • sell-inが好調でもsell-throughが振るわなければ、追加発注は入らず、次のシーズンはより厳しくなります。
  • open-to-buy(OTB)は、バイヤーに残っている仕入予算です。これを把握しておけば、商談の前に提案内容を調整できます。
  • これらの指標は、取引先と共有し、受注期間のたびに見直してこそ役に立ちます。

過去最高の受注を記録したブランドが、翌シーズンには取引店舗の半分を失うことがあります。たとえばこんなケースです。注文は入り、納品も予定どおりに出荷されたのに、商品は売場に残ったまま。店舗はセールで値下げし、そのコレクションに悪い印象を持ち、次の商談では予算を削ります。

小売店に販売するだけでは十分ではなく、商品が店頭から売れていく必要があります。それを追いかけ、取引先ネットワークを管理するための指標が3つあります。

sell-in、sell-out、sell-through:互いを補う3つの指標

sell-inはブランドの受注データに表れます。sell-outは店舗のレジに表れます。sell-through(消化率)はこの2つをつなぐ指標で、店舗が受け取った商品のうち、どれだけが買い手を見つけたかを示します。

ホールセール管理のための指標
指標測るもの計算式
Sell-inブランドが小売店に販売した量納品済み注文の合計(点数または金額)
Sell-out小売店が消費者に販売した量期間中の店頭販売
Sell-through(消化率)受け取った在庫のうち販売された割合販売点数 ÷ 入荷点数 × 100
在庫カバー週数現在の在庫で販売を続けられる週数残り在庫 ÷ 週平均販売数
Open-to-buy(OTB)まだ使える仕入予算販売計画 + 値下げ計画 + 期末在庫計画 − 期首在庫

これらの用語は、ほかの業界用語とあわせてホールセール用語集でも解説しています。

モデルごとのsell-throughはどう計算する?

sell-throughは、品番ごと、カテゴリーごと、あるいはコレクション全体について、一定の期間で計算します。多くの場合、納品後の最初の数週間における定価での販売が対象です。

例:ある店舗がひとつのモデルを40点受け取り、8週間で26点を定価で販売したとします。消化率は26 ÷ 40 = 65%です。

計算方法は小売チェーンによって異なります。点数ではなく金額で計算するところもあれば、入荷数だけでなく販売可能な在庫全体に対して計算するところもあります。2つの数字を比べる前に、同じ方法で計算されているかを確認しましょう。

消化率は比較して読む

数字単体ではあまり多くを語りません。意味を持つのは比較です。モデル同士、店舗同士、そして前のシーズンと比べましょう。

6週間で80%、つまりこの店舗で40点中32点が売れたモデルは、追加発注のサインです。同じ時期に20%、つまり40点中8点にとどまるモデルは値下げの前触れであり、多くの場合、その店舗が次のシーズンに発注を減らすことを示しています。

在庫カバー週数が追加発注の提案時期を教えてくれる

先ほどの例の続きです。店頭に残っているのは14点で、このモデルは平均して週3.25点のペースで売れてきました(8週間で26点)。在庫カバー週数は14 ÷ 3.25で、4週間あまり(4.3週)です。

次の納品が8週間後の予定なら、その前に売場は空になります。シーズン中の追加発注を提案するタイミングです。

open-to-buy:バイヤーの仕入予算を計算する

open-to-buy(OTB)は、バイヤーがある期間にまだ発注に充てられる金額です。小売業で一般的な計算式は、販売計画 + 値下げ計画 + 目標とする期末在庫 − 期首在庫です。考え方はシンプルで、店舗は販売する分、値下げを吸収する分、そして望む在庫でシーズンを終える分を仕入れる必要があり、そこから手元にある在庫を差し引きます。

バイヤーの予算を、おおよそでも把握しているかどうかで、商談の準備は変わります。提案の規模が適切になり、セレクションが現実的になり、話題が金額ではなくモデル選びに向かいます。倍率と卸価格の関係については、卸価格の計算方法をご覧ください。

個人経営の店舗からsell-outのデータを得る方法

sell-inは自社の注文データの中にありますが、sell-outは取引先の手元にあります。大手チェーンは販売レポートを送ってくれることが多い一方、個人経営の店舗が自発的に共有してくれることはまれです。それでも、いくつかの習慣で必要な情報はほぼ集められます。

sell-throughがブランドにもたらすもの

  1. 欠品してから依頼を受けるのではなく、欠品の前に適切なタイミングで追加発注を提案できる。
  2. 展示会でもショールームでも、取引先の履歴と予算をもとに商談を準備できる。
  3. 発注されるモデルだけでなく、店頭で売れるモデルをもとに、コレクションの判断ができる。
  4. 苦戦している取引先に早めに気づける。消化率の低下は支払遅延の前兆であることが少なくなく、前払金と支払条件をきちんと定めておけば、その影響を抑えられます。

ひとつの計算方法と、2つの計測日

まず、点数ベース・入荷数ベース・定価販売という統一した計算方法と、納品の4週間後とシーズン半ばという2つの計測日を決めます。主要な取引店舗にこの2つの時点で数字を依頼し、モデルごとに消化率と在庫カバー週数を計算します。在庫カバー週数が納品リードタイムを下回るところでは、追加発注を提案します。次の受注期間の前には、取引先ごとのopen-to-buyを見積もり、その予算に収まるセレクションを用意しましょう。

よくあるご質問

良い消化率(sell-through)の目安はどのくらいですか?

普遍的な基準はありません。カテゴリー、計測期間、価格帯によって変わります。それよりも、自社のモデル同士、店舗同士、そして前のシーズンと比較しましょう。

sell-inとsell-throughの違いは何ですか?

sell-inはブランドが店舗に販売した量を測ります。sell-throughは、そのうち店舗が消費者に販売できた割合を測ります。

sell-throughはどのように計算しますか?

販売点数を入荷点数で割り、100を掛けます。数字を比較できるよう、計測期間と、点数か金額か、入荷数か販売可能在庫かという計算方法を必ず明記しましょう。

open-to-buyはどのように計算しますか?

販売計画 + 値下げ計画 + 目標とする期末在庫 − 期首在庫です。結果として得られるのが使える仕入予算で、これを各ブランドに配分します。

個人経営の店舗からsell-outのデータを得るにはどうすればよいですか?

納品の数週間後とシーズン半ばという決まったタイミングで依頼することです。あわせて商談でシンプルな質問をし、ネットワーク全体で見えていることを還元しましょう。

出典

  1. ミューラーン、22年度はプロパー消化率80%超 袖付きが水着ヒット — 繊研新聞
  2. 残在庫の基準?はどう考えるのか(佐藤正臣) — 繊研新聞
  3. From margins to sell-through: Important figures used in the fashion industry — FashionUnited
  4. Des marges au chiffre d’affaires : les chiffres utilisés dans l’industrie de la mode — FashionUnited France
  5. Inside the industry: How do fashion retailers make choices based on numbers (data)? — FashionUnited Education

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