実践ガイド

サイズカーブとプリパック:利益を削らずに卸売発注を配分する

サイズカーブの設定を誤ると、二重のコストが生じます。MとLでは欠品が、XSとXLでは売れ残りが出るのです。正しい配分は実際の販売実績から出発し、プリパックと単品発注を使い分け、取引先ごとに調整します。それも、受注会で工場への発注数量が固まる前に行う必要があります。

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この記事のポイント

  • サイズカーブとは、ひとつの型の数量を各サイズにどう振り分けるかを示すものです。勘ではなく、実際の販売実績から組み立てます。
  • プリパック(サイズとカラーを固定したセット)は発注と生産を簡単にし、単品発注はバイヤーが自店の客層に合わせて細かく調整できるようにします。
  • すべての取引先に同じカーブを当てはめるのは、たいてい適切ではありません。国、体型、店舗の業態、型のシルエットによってカーブは変わります。
  • 靴とジュエリーも考え方は同じですが、靴のサイズや指輪のサイズは国によって表記体系が異なります。
  • カーブの設定を誤ると、二重のコストが生じます。中心サイズでは欠品が、端のサイズでは売れ残りが出るのです。

あるショップがパンツを10点発注します。問題は、XSを何点、Lを何点にするかです。この配分によって、定価で売り切れる量と、シーズン末にセールに回る量が決まります。ブランドにとっては、各店の答えを合計したものが工場に送る数量になります。つまりサイズカーブは、営業の問題であると同時に生産の問題でもあり、営業担当がバイヤーと一緒にグリッドを埋めるまさにその瞬間に決まるのです。

サイズカーブとは?

サイズ展開とは、ひとつの型が用意されているサイズの一覧です。XSからXL、5号から15号、靴なら22.5cmから25cmといった具合です。サイズカーブ(英語では「size curve」)は、数量をそれぞれのサイズにどう配分するかを、点数または比率で示します。

比率で書かれることが多く、たとえば1-2-4-3-2のカーブなら、XSが1点、Sが2点、Mが4点、Lが3点、XLが2点という意味です。サイズ展開は、品番と価格を添えてコレクションをバイヤーに紹介する資料であるラインシートに記載されます。一方カーブは発注の段階で決まり、ショップの利益が左右されるのはまさにこの場面です。

サイズは何に基づいているのか:規格と身体寸法

サイズは世界共通の尺度ではありません。欧州規格EN 13402シリーズは、製品の寸法ではなく身体の寸法にもとづいてサイズを表示する体系です。その第3部(2017年版)は、男性、女性、子ども、乳幼児について身体寸法と区分間隔の表を定めています。国際規格ISO 8559-2は2025年に改訂され、衣料の種類ごとに表示すべき基本寸法と補足寸法を規定しています。

それでも実務では、各ブランドが独自のグレーディングを持っています。あるブランドのMは隣のブースのブランドのMとは違い、それが販売カーブにも表れます。

身体の寸法そのものも変化します。フランスでは、フランス繊維衣料研究所(IFTH)が全国規模の人体計測調査を実施し、2003年4月から2005年4月にかけて、37か所で11,562人を3Dボディスキャナーで計測しました。こうした調査は、まずブランドがパターンを見直すために使われます。発注カーブの面では、10年前から引き継いだ配分は一度確かめるべきだということを何より教えてくれます。

プリパックか、単品発注か:バイヤーに何を提案するか

プリパックとは、決められたカーブに沿って点数を配分した固定のセットで、複数のカラーにまたがる場合もあり、バイヤーはその倍数で発注します。これに対して単品発注では、バイヤーがサイズごと、カラーごとに必要な数量を自分で入力します。

プリパックと単品発注の比較
項目プリパック単品発注
入力のスピードカラーごとにセット数を入れるだけサイズ×カラーごとに1マスずつ入力
ショップにとっての精度カーブが固定され、合わないこともある自店の客層に合わせて調整できる
生産と物流数量が読みやすく、梱包も簡単数量が分散し、ピッキングに時間がかかる
向いているもの定番品、追加発注、大口の数量主力アイテム、小ロット、こだわりの強いショップ

両方の方式を用意するブランドも多くあります。営業担当は素早く発注できる推奨プリパックを示し、バイヤーは一定の数量を超えればその内容を変更したり、単品で発注したりできます。

数字で見る例:XSからXLまでの12点プリパック

1-2-4-3-2のカーブで組んだ12点のプリパックを例にとります。あるショップが2色を各3セット、つまりプリパック6セットを発注します。

12点プリパック、3セット×2色
サイズプリパック1セットの点数カーブに占める比率3セット×2色
XS18.3%6
S216.7%12
M433.3%24
L325%18
XL216.7%12
合計12100%72

ショップには72点が届き、そのうち24点がMです。セットの大きさは仕入れの判断にも影響します。卸値40ユーロ(税抜)の商品なら、12点のプリパックひとつで480ユーロ(税抜)、6セットの発注では2,880ユーロ(税抜)になります。この金額で最低発注量を超えることもあれば、逆に1色だけ仕入れたい小さなショップにはプリパックが手の届かないものになることもあります。

販売実績からサイズカーブを計算する方法

手順は5つのステップにまとめられ、商品カテゴリーごとに繰り返します。

  1. 可能であれば、発注データだけでなく店頭での販売データから出発します。発注はバイヤーが何を仕入れたかを示し、販売は最終顧客が何を買ったかを示します。サイズ別の消化率、つまり在庫のうち売れた割合が、手に入る最良のデータです。
  2. 商品カテゴリーとシルエットごとにまとめます。細身のパンツとゆったりしたニットでは、カーブが同じにはなりません。
  3. 欠品を補正します。3週間で売り切れたサイズは過小に見積もられていたのであり、その販売数は実際の需要を表していません。
  4. 比率に換算し、セット単位に丸めます。販売数240点のうち、XSが18点、Sが42点、Mが78点、Lが63点、XLが39点なら、比率は7.5%、17.5%、32.5%、26.25%、16.25%です。これを12点に換算すると0.9/2.1/3.9/3.15/1.95となり、丸めると1-2-4-3-2で、合計はきちんと12になります。
  5. カーブは毎シーズン見直し、結果と照らし合わせます。カーブは一度決めたら終わりではなく、時間をかけて精度を上げていくものです。

丸めた結果が合わないとき

12点のセットなのに、丸めると11点や13点になることがあります。その場合は、小数点以下が0.5に最も近かったサイズで調整し、中心サイズを優先します。Mが1点多いほうが、XSが1点多いよりも売りやすいからです。また、サイズ展開のどのサイズにも最低1点は残しましょう。そうしないと、ショップは端のサイズを試す機会を永遠に持てません。

冒頭の10点のパンツに、同じ比率を当てはめてみましょう。計算すると0.75/1.75/3.25/2.625/1.625となり、丸めると1-2-3-3-2で11点です。小数点以下が0.5に最も近いのはLとXLです。余分な1点を中心サイズに残すため、XLの1点を削ります。セットは1-2-3-3-1の10点になり、どのサイズにも最低1点が入ります。

取引先ごとにサイズカーブを調整する

平均的なカーブは出発点にすぎません。取引先ごとに修正すべき理由となる基準は4つあります。

靴とジュエリー:靴のサイズと指輪のサイズ

考え方は変わらず、使うサイズ表が違うだけです。靴の場合、カーブはサイズごとに配分され、ハーフサイズを含むことも多く、表記体系は国によって変わります。欧州式のサイズはパリポイント(1ポイント=3分の2センチ)にもとづいています。ほかに英国式、米国式のサイズがあり、ISO 9407(2019年版)が定めるモンドポイントもあります。モンドポイントは足の長さをミリメートルで表し、足長260mmなら260です。

ハーフサイズがあるとサイズ表の列が増えます。そのため、ある国向けに組んだカーブを別の国で使うときは、そのまま写すのではなく換算しなければなりません。

ジュエリーでは、ISO 8653(2016年版)が指輪のサイズを内周のミリメートルで定めており、範囲は41から76です。国によっては別の体系も併存しています。指輪のサイズをいくつかに絞ったり、サイズ調整できるデザインにしたりして、売れ残りを避けるブランドも少なくありません。

広がりすぎたカーブは工場の最低ロットにぶつかる

サイズごと、カラーごとに合計した発注数が、そのまま生産指示になります。しかし工場は、カラー単位や品番単位で独自の最低ロットを設けていることが多くあります。カーブが広がりすぎると数量が分散し、端のサイズが工場の最低ロットに届かず、ブランドは過剰生産するか、割増料金を払うか、そのサイズをやめるかを選ばなければなりません。

取引先間で一貫したプリパックは、その逆の効果を生みます。数量がまとまり、生産の見通しが立てやすくなるのです。サイズ展開とプリパックは、展示会の前に準備しておくべきほかの項目と同じく、受注会の最中ではなくその前に決めておくべき理由がここにもあります。

サイズ配分を狂わせる5つの失敗

  1. シルエットにかかわらず、すべての型に同じカーブを当てはめる。
  2. 欠品やセールを考慮せずに、過去の発注データだけでカーブを組む。
  3. 大きすぎるプリパックを押しつけ、小さなショップに売れないサイズまで仕入れさせる。
  4. プリパックの中身を見せずに提示する。展示会でもデジタルショールームでも、バイヤーは各サイズで何点届くのかを確認できなければなりません。
  5. 発注後にスプレッドシート上で数量を手作業で修正し、顧客が署名した数字とは異なる数字を工場に送ってしまう。

まず販売実績、次にプリパック

サイズ配分の精度を高めたいブランドは、まず欠品を補正した販売データから始め、カテゴリーとシルエットごとにカーブを決めます。そこから自社と工場の最低ロットに合うプリパックを組み、単品発注は主力アイテムと自店の客層をよく知る取引先に任せます。最後に、各カーブを翌シーズンの販売結果と照らし合わせます。ここで使ったMOQから消化率までの用語は、ホールセール用語集で解説しています。

よくあるご質問

アパレルに標準的なサイズカーブはありますか?

万能のカーブはありません。一般に中心サイズが販売の大半を占めますが、正確な配分はシルエット、客層、国によって変わります。信頼できる唯一の基準は、やはり欠品を補正した自社の販売実績です。

プリパックは何点にすればよいですか?

プリパックは、各サイズに最低1点を入れてサイズ展開全体をカバーしつつ、もっとも小さな取引先でも仕入れられる大きさにします。その金額が最低発注量と合っているか、1色しか仕入れないショップの予算に収まるかも確認しましょう。1点あたり40ユーロ(税抜)なら、12点のプリパックだけで480ユーロ(税抜)になります。

プリパックと単品発注は併用できますか?

できますし、よくあることです。プリパックは定番品や追加発注を素早く処理するのに役立ちます。単品発注は、主力アイテムや自店の客層をよく知る取引先に向いています。

輸出向けにカーブをどう調整すればよいですか?

まずサイズ展開をその国のサイズ体系に換算し、次に現地での最初の販売結果とカーブを比べます。現地の輸入代理店やエージェントに、その市場でよく売れるサイズを聞くのも有効です。

サイズカーブはどう計算しますか?

商品カテゴリーの販売数をサイズ別に合計し、欠品したサイズを補正したうえで、各サイズを合計に対する比率に換算します。その比率にセットの点数を掛けて丸め、どのサイズにも最低1点を残します。たとえば販売数240点なら、この方法で12点セットのカーブは1-2-4-3-2になります。

出典

  1. NF EN 13402-3 — AFNOR
  2. Kiabi inaugure la campagne de mensuration des Français — LSA
  3. ISO 9407:2019 — Standards Council of Canada
  4. ISO 8653:2016 — Standards Council of Canada
  5. ISO 8559-2:2025 — Size designation of clothes — Part 2: Primary and secondary dimension indicators — ISO

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